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第三者意見 DOWA CSR 報告書 2013

株式会社イースクエア
代表取締役社長
本木 啓生(もとき ひろお)

イースクエアは、企業の戦略的CSR・環境経営の支援を通して持続可能な社会の実現を目指すコンサルティング会社。2001年4月よりイースクエアのコンサルティング事業の統括として、多岐の業種にわたる大手企業を中心に、戦略、コミュニケーション、教育、BOPなどの各分野における支援を行っている。2011年10月代表取締役社長に就任。2005年より東北大学大学院環境科学研究科非常勤講師を務め、その他CSR関連の講演活動も多数行っている。

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CSR 報告書2013 報告内容について

昨年度よりDOWAグループのCSR報告書の第三者意見を寄稿させていただき、いくつか申し上げた改善点が確実に反映されていることを確認しました。CSR経営の根幹となる方針と重点施策の関係性が安全・環境・企業統治・社会という4つの軸で再整理され、会社としての考えがよく見えるようになりました。目標および実績との関係性も整理され、CSR活動に関するDOWAグループ全体の動きがわかりやすくなっています。

今回の報告書で特筆すべきは、事業活動と社会課題の関係性がしっかり説明されている点です。リサイクルのみならず、金属の効率的な回収や有害物・非有用物を安全に処理する技術などを用い、事業を通して資源の有効利用という社会課題に真っ向から取り組む姿勢が各事業会社の報告からもよくわかります。

その他の具体的な取り組みとして、DOWAメタルマインの職場の家族見学会やDOWAエレクトロニクスの地域の学生のインターンシップなどによる社会との関わり合いや、社内におけるCSRポータルサイトの開設でDOWAグループ全体の意識レベルの底上げなど、社内外のステークホルダーに対する取り組みが進められていることがわかります。

さらなる改善に向けて

上記のとおり重点分野と目標との関係性が明確になった一方、目標の一つひとつの内容が項目レベルの表記となっており、具体的でない点が残念です。来年度の報告では、いつまでに、どのレベルを目指そうとしているのか、具体的な目標と行動計画を示していただくことを期待します。また、本文において、政府・自治体・産業界との関わりとして、公共政策への提言について言及していることは素晴らしいのですが、公共政策に対して会社としてどのような方針や考え方を持っているかについても、読者の関心が高いところですので、ぜひご記載いただければと思います。

今後の取り組みへの期待

人類のサステナビリティを考えた際に、資源の枯渇は世界が直面する最も深刻な課題の一つです。資源の有効利用は社会的な課題であり、産業の法規制やインフラ整備など、一社の枠を超えた政策との連携が不可欠です。進出先の国・地域も含み、政府との連携を図りつつ循環型社会のあるべき姿を示していくことで、DOWAグループのさらなるリーダーシップに期待しています。

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