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特集II 豊かな森と生物を育む

かつて、鉱山開発により森を失った…だからこそ、DOWAは豊かな森を取り戻すための植林活動をはじめ、生物多様性の保全について考えています

生物多様性とは、複雑で多様な生物が地球上において存在していることを示しています。

現在、自然環境の悪化に伴い、この生物の多様性が、これまでにない速さで刻一刻と失われつつあります。生物の多様性が失われると、自然界のバランスが崩れ、自然生態系に大きな影響が生じる可能性があります。また、農業などにおける耐病性の作物品種や医薬品開発に有用な遺伝的な資源も失われてしまいます。

DOWAグループでは、森林の育成や鉱山開発における自然環境保全への配慮、生物生息環境と一体的な 水質浄化手法の開発等を通じて、生物の多様性保全、維持に取り組んでいます。

写真ビオパレットの見学会風景
写真植樹祭風景

01 豊かな森を育てる

写真植樹風景

森林には、生物生息域の提供、木材資源の供給、温室効果ガスである二酸化炭素の吸収、水資源の涵養など多様な機能があります。これからの森林育成では、これらの機能を十分発揮できる森林を形成していくことが大切です。DOWAホールディングスでは、かつて鉱山跡地などに植樹した人工林を対象に、2005年から森林管理計画を立て、枝打ち、間伐など、健全な森林として維持するための手入れを実施しています。

また、小坂のアカシアの単一樹種林では、一部でミズナラ、ケヤキなどの広葉樹の苗木を植え、より豊かな森にするための試験も始めています。

さらに、これまで樹木の生育が困難であった鉱山跡地にも、新規の植林を積極的に実施しています。この植林では、宮脇昭横浜国立大学名誉教授が研究所長を務める(財)国際生態学センターのご指導に基づ き、土地本来の木群を中心とした、多数の樹種の苗木 を混ぜて植樹しています。この植樹方法により、植物相や動物相の多様性、持続可能な生息環境を実現することができます。昨年度は、小坂地区のカラミ山、鉱山跡地に、ナラ、カエデ、ブナなどの地域在来樹種を中心に17,800本の植樹を行いました。また、森林の手入れや新規の植樹の際には、地域との交流を深めるとともに、当社の環境活動についてご理解いただくため、植樹祭や親子森林教室などを継続的に実施しています。

Voice

昨年11月に行われた第2回小坂ふるさとの森づくり植樹祭では、DOWAグループ社員やOBをはじめ、地元の小中高校生170名を含む小坂町の皆さま、総勢430名が集結し、コナラ・ブナ・モミジなど土地本来の樹木の苗木6,000本を植樹しました。こうして皆で植えた木は、参加した小学生が成人する10年後には高さ8mの厳しい自然に耐えて長持ちする豊かな森に成長する予定です。次の代の子供たちのために小坂の森を守り育てていく、子供たちの未来につながる環境活動としてDOWAの森づくりを進めていきます。


小坂製錬 総務部長 矢内 康晴


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