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特集I 地球環境への貢献―地球温暖化対策事業や、アジア地域における廃棄物適正処理・ リサイクル事業展開を通じて、地球環境保全に貢献しています。―

02 廃棄物から地球温暖化対策

廃食用油で車を走らせる

バイオディーゼル岡山では、岡山市と共同で一般家庭、飲食店、食品製造工場などから排出される廃食用油を回収し、最大で年間1,200キロリットルのBDF(バイオディーゼル燃料)※を製造する事業を開始しました(2009年6月稼働開始)。これまで単に焼却処理されていた廃食用油を有効活用し、軽油の代替燃料として使用することで、二酸化炭素の排出を低減し、地球温暖化に貢献することができます。製造されたBDFは、岡山市のごみ収集車、DOWA事業所内のトラックやフォークリフトなどに使用される軽油の代替燃料として利用し、性能の検証を行うとともに、年間約2,000t相当の二酸化炭素の削減に貢献します。今後、さらにBDF製造事業を拡大していく計画です。

なお、この事業はDOWAエコシステムの若手社員有志による『未来の会』(詳細)からのアイディアが元になり実現したものです。

解説図

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※BDF(Bio Diesel Fuel):主に植物由来の油から作られるディーゼルエンジン用燃料の総称で、バイオマスエネルギーの一つです。化石燃料の代替とすることで、地球温暖化ガスの削減に寄与することができる液体燃料として注目されています。


Voice

一般市民の方々が排出した使用済みてんぷら油がBDFとなり、岡山市のごみ収集車を走らせます。今まで「ごみ」だったものが、目に見える形でリサイクルすることにより、二酸化炭素削減の環境保全に加え、環境に対する意識向上など一般市民を巻き込んだ大きな活動に育てたいと考えています。

事業開始の2009年度は、使用済みてんぷら油を安定的に集荷、高品質なBDFを製造・供給し、1台でも多くのごみ収集車を走らせたいと思います。


バイオディーゼル岡山 BDF事業統括責任者 矢野 拓哉


養豚場からのメタンを回収・破壊

フィリピンでは、養豚場の排泄物を含む排水の処理 過程で、温室効果ガスであるメタンガスが大量に発生しています。メタンガスは二酸化炭素の21倍の温室効果がある物質なので、これを処理することは温暖化防止のために有効です。

DOWAエコシステムは、地球温暖化防止への取り組みの一つとして伊藤忠商事(株)と合弁でフィリピンに現地法人を設立して、このメタンガスを回収するCDM事業※に着手しました。

本事業では、養豚場に隣接する排水処理用の溜池(ラグーン)を巨大なシートで包み込んでメタンガスを封じ込め、そのメタンガスを燃焼処理や発電エネルギーに変換して利用するという方法で温室効果ガスを削減します。

削減された温室効果ガスは、日本国の排出権となって、京都議定書における日本国の削減義務の達成に寄与することになります。

※CDM(Clean Development Mechanism):クリーン開発メカニズムと呼ばれ、京都議定書における地球温暖化防止のための対策手段の1つです。CDMは先進国が発展途上国で行った温暖化対策プロジェクトによって削減した排出量を、排出権として自分の国の排出削減目標達成に用いることができる仕組みです。

解説図

Voice

本プロジェクトでは、現在フィリピン・ マニラ近郊の15農場で、メタン回収のための設備を備えたラグーンの建設を進めています。今後フィリピンでは養豚メタンだけではなく、工場排水などの他のメタン発生源からの回収についても 計画しています。また、インドネシア・タ イを中心としたMAEH社の各拠点を活用したCDM事業も展開していきたいと考えています。


DOWAエコシステム企画室 梶原 史洋


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