DOWAメタルマイン

Leader's Voice

DOWAグループの基盤である鉱山・製錬部門を担うメタルマインは、海外鉱山への投融資による資源確保とキーマテリアルを生み出す高度な製錬技術を背景に、環境事業と融合した独自のビジネスモデルを展開しています。特に主力工場の小坂製錬と秋田製錬は世界にも類をみない複合事業体として、DOWAグループの環境・リサイクルコンビナートの中核として位置しています。
小坂製錬ではリサイクル原料対応型TSL炉の操業度改善が進み、処理量が増えてきています。
従いまして原料ソースを国内から海外に展開すると同時に、回収元素の多様化を目指し新規メタルとして今年度中にニッケルやスズの回収を開始いたします。
秋田製錬では2009年に最新鋭の硫酸工場を設置し、より一層の排出ガスのクリーン化と省エネルギー化を実施してきました。また昨年12月には鉄鋼ダストからの酸化亜鉛を原料とする最新鋭の亜鉛回収工場が運転を開始し、今年度はフル操業を目指します。また薄型TVに使用されますITOターゲット材からのインジウムの回収も含めて、徹底した資源の有効利用に努めております。
当社では、こうした取り組みを通じて有価金属の生産を鉱石原料と都市鉱山という両輪から行うことにより、資源の有効活用と地球温暖化防止と循環型社会の構築に貢献しながら、さらに進化し続けるメタルマインを目指していきます。

代表取締役社長 山ア 信男

DOWAメタルマインの主要工場の紹介:秋田製錬株式会社

所在地:〒011-8555 秋田県秋田市飯島字古道下川端217番9号
従業員:195名(2011.3末)

日本最大の亜鉛製錬所

写真写真亜鉛は、自動車ボディー、建材、家電の防食用めっきや船・橋などの耐食用部品として、わたしたちの暮らしに欠かせない素材です。秋田製錬はこの亜鉛を年間20万トン生産する国内トップシェアの工場です。当社の亜鉛は、不純物の含有量が少なく、ユーザーから高く評価されています。
環境面から注目されているのが、世界で唯一「ヘマタイト法」を採用していること。他の工場では廃棄物とされる有価金属も、亜鉛を浸出したあとの亜鉛残渣を原料とし、いくつかのプロセスを経て鉄や金、銀、レアメタルを高収率で回収することが出来ます。これによりあらゆる金属の回収率を向上し、環境負荷の抑制に成功しています。

環境に優しい、安全で無公害な製錬所

写真2011年3月、秋田製錬が長年取り組んできた環境対策が評価され「日本鉱業協会賞」を受賞しました。
亜鉛の製錬では、鉱石を焙焼する工程でSO2(二酸化硫黄)を含む排ガスが発生しますが、当社では製造設備の周辺20箇所にSO2濃度を測定するセンサーを設置し、集中管理室で常時監視を行っています。2009年9月には新型の硫酸プラントを設置し、排ガス中の硫黄分を硫酸の形で回収し、製品化しています。このプラントは熱を蒸気に変換する最新型のボイラーを備え、他の工程で蒸気を利用することで同時に省エネも図っています。さらにDOWAグループで開発した排煙脱硫方式のプラントを導入したことで、排ガス中のSO2は0〜1ppmとほぼゼロに近い濃度まで低減しました。また、排水の自動分析計や砂ろ過機を設置するなど排水対策にも力を入れています。
さらに、近年の集中豪雨に対応するため、降水量や外気温などの気象データをリアルタイムで把握するほか、5000m3の緊急ピットや多目的タンク、遮断ゲートを設けるなど、排水が場外に漏洩しないよう万全の対策をとっています。
今後も地域の皆様に安心され信頼される企業として、環境へ配慮した取り組みを積極的に進めます。

担当者からひとこと

環境安全部長 工藤 理人

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原料鉱石中には、様々な重金属や硫黄が含まれているので、自然環境に悪影響を与える可能性があります。設備のちょっとした亀裂や配管の閉塞であっても、大気や海域の汚染に発展してしまうことも。我々は電気亜鉛をこの地で安定的に生産し続けるために、製錬のプロとして無事故・無公害を達成することが必須条件と認識し、環境対策を継続いたします。
また、次世代に残すことが出来る環境に優しい製錬所を目指し、地球温暖化防止対策を検討・実施してまいります。

グループの連携で資源リサイクルを推進

写真2010年、亜鉛リサイクルを目的として、鉄鋼メーカー等から排出されるダストの処理を行う秋田ジンクリサイクリングが稼動しました。精製・加工した亜鉛原料液は、秋田製錬の原料となり年間約2万トンの電気亜鉛を生産します。
鉄鋼ダストはこれまでセメントに混ぜられたり、廃棄物として最終処分されていましたが、資源の有効活用の観点から製鉄所でもスクラップ原料の比率が高まったことから、ダストに含まれる亜鉛量が増え、リサイクル原料として利用できるようになりました。特殊な技術を採用することにより、従来の高温で処理する方式に比べCO2などの環境負荷も低減、グループ内の小坂製錬によって亜鉛以外に含まれる銅や鉛なども回収可能です。
秋田製錬はDOWA グループとの連携により循環型社会の構築に貢献します。

担当者からひとこと

取締役 工場長 福田 健作

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秋田ジンクリサイクリングでは、ユーザーから「循環資源=リサイクル原料」を受け入れ、有効利用できるモノに変えて秋田製錬に供給しています。こうした「亜鉛資源の循環」は、持続可能な社会構築に協力できることであり、とても大切な仕事と考えています。
とは言え、初めての「原料・プロセス・設備・人」での操業であり、最初は稼働率を上げられず苦労しました。ようやく最近は計画どおりの能力で稼働できるようになりましたが、今後はユーザーニーズに応えるため、多種多様なリサイクル原料を安定的に処理できるように改善を継続していきたいです。

TOPICS 2010 地域スポーツの支援

写真秋田製錬では、スポーツを通じた地域貢献に取り組むため、秋田初のプロバスケットボールチームである「秋田ノーザンハピネッツ」の活動に賛同し、2010年よりオフィシャル・パートナーとして協賛・支援を行っています。秋田ノーザンハピネッツは、県内全域をホームタウンとしており、地域に密着したチーム形成を目指して、選手やスタッフによる学校訪問や各種イベントへの参加など、様々な地域交流活動に取り組んでいるチームです。当社は、これからもスポーツを通して地域振興を図り、また地域と強い信頼関係を構築するよう取り組んでいきます。

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