DOWAエコシステム

Leader's Voice

当社は、アジア各国に展開する事業拠点と高度な技術を活かして国際資源循環を推進し、循環型経済社会の構築に貢献しております。昨年度は、中国天津市と江西省に家電リサイクル事業の新規拠点を設立いたしました。また、今年4月には釜山で開催された日中韓三カ国環境大臣会合に出席し、産業界フォーラムの代表として報告を行いました。この中で、アジア圏で当社が保有する拠点を組み合わせ、より効率的に資源リサイクルの環を回していくスキームを発表しました。
今後もアジアを中心として、さらなる事業展開を図ってまいります。
技術立社を標榜する当社は、以下に紹介するようなコア技術の質を高めながら、事業領域の拡大を図り、環境事業のメニューを充実させていきます。昨年取り組みを開始した微量PCB廃棄物の無害化処理やリチウムイオン電池のリサイクルもその一例です。環境リスクを厳格にコントロールでき、経済性に優れた環境技術を持つ当社だからこそ、アジアの資源循環や環境改善において、かけがえのない役割を果たすことができると考えています。

代表取締役社長 佐々木 憲一

DOWAエコシステムの主要工場の紹介:エコシステムリサイクリング株式会社

所在地:〒367-0002 埼玉県本庄市仁手1781-3
従業員:東日本工場 43名 / エコシステムリサイクリング全体 95名(2011.3末)

資源循環の輪を構築

写真エコシステムリサイクリング東日本は、貴金属リサイクルの工場です。金属のスクラップは使用済みの製品からだけでなく、製造工程でも発生します。当社では主にこのような電子材料・部品のスクラップから金、銀、白金などを回収したり、またメッキ工程で使用する貴金属メッキが付着している装置をお客様から預かり、金属を剥がして洗浄するサービスなどを行っています。
金属のリサイクルには、主に熱で溶かす乾式と、薬品を用いる湿式の2種類の方法がありますが、当社は金属が多く含まれる高品位な原料から純度の高い金属を取り出す湿式処理を行っています。
DOWAには、秋田県に乾式のリサイクル工場があるほか、製錬所なども所有し資源循環型のビジネスモデルをグループ内で形成しています。このように互いに連携することで、幅広い原料から、貴金属やレアメタルなど多品種の金属をリサイクルする資源循環の輪を結んでいます。

高い対応力と技術力

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多様なリサイクル原料
貴金属リサイクルの原料には、アルミと金、ステンレスとプラチナなどの複数の金属が複雑な形状に接着されている部品もあります。当社には、このような単純にリサイクルできない原料を分離するための技術や、薬品を組み合わせるノウハウがあるため、難しい原料でも高効率でリサイクルすることができます。
また、貴金属のリサイクルでは、事前にどのくらいの金属が含まれているか確認する分析が重要ですが、当社は事業所内にDOWAテクノロジーという分析・研究機関があるため、常に信頼性の高い分析を行っています。また、小ロットで扱う湿式の特性上、原料全体で分析を行うため、サンプリングのブレが生じません。
このような技術やノウハウにより、原料から製品になるまでの期間が数週間と早く、電子材料などのライフサイクルが早い原料にいち早く対応しています。

担当者からひとこと

技術課 長村 裕樹

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この1年、金銀相場が過去にないくらい高い水準となり、我々が対象とする原料も品位が低く処理の難しい原料が増えてくるようになりました。また、これまで以上に回収業者間の競争も厳しくなってきています。こうした状況の中、事業の維持・拡大のため、母材を傷めずに目的の貴金属を抽出する技術やこれまで廃棄されていたスクラップから貴金属を回収する技術などの新規技術開発、さらに工程内の在庫を減らすための回収プロセスの改善に取り組んでいます。昨年度は新たな原料からの金、プラチナ、パラジウムの新規回収技術の開発に成功し、現在は定常処理化に向けて日々奮闘しています。

設備改善より作業改善

写真当社では、全社員が自ら考えるカイゼン活動に取り組んでいます。当初、整理・整頓の2Sからはじまったカイゼン活動は、2008年度より本格的に取り組みを開始し、手順の効率化、作業のしやすいレイアウトへの改善、備品の発注・管理状況の改善と次々と広がり、作業効率とともに生産性も向上しています。提案数も徐々に増えており、2ヶ月で100件を超えることもあります。コストをかけず、主に手作りで行うカイゼンは、一人ひとりのレベルが上がることで全体が改善されることが実感できる取り組みとして、従業員の意識も向上させています。
現在ではカイゼンすることが自分たちの文化になるまで根付き、DOWAグループ内の共有化を目指し、他の事業所との勉強会も開催しています。

担当者からひとこと

製造課金回収グループリーダー 新井 進

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最初の頃は本当にうまくいくのかどうか?半信半疑でした。しかし、TPS(トヨタ生産方式)を取り入れ、動線改善のため設備レイアウトを思い切って変え、その効果を実感できてから、ようやく作業改善の重要性を認識できるようになりました。これがきっかけとなり、皆の取り組む姿勢が変化し、今では、これまで何気なく行っていた作業のあちこちに無駄が見つかり、次々と新しい課題に取り組めるようになってきました。
我々一人ひとり、一つ一つの改善はごく小さなものに過ぎませんが、継続し、積み重ねていくことで大きな改善につながることも分かりました。これからも皆で地道にこつこつと継続して取り組んでいきたいと思います。

設備改善より作業改善

写真当社では、人材を重要な経営資源と位置づけ、月に3回、全従業員を対象とする勉強会を開催しています。一人ひとりの社員が、高い付加価値を提供できる人材になるため、従業員の向上心と意欲を尊重するためのプログラムとして展開しています。勉強会では、安全やリスク、保全、プロセスなどの業務に必要な技術を習得する教育に加え、メンタルヘルスの取り組みや自社の歴史などを学ぶ幅広い講義を行っています。

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