ESGライブラリ

労働安全衛生

当社は、事業を通じてサステナビリティ活動を推進するにあたり、労働安全衛生を最も重要なテーマの一つと考え、「安全はすべてに優先する」という基本理念に基づき、国内外の全事業所においてCSR経営計画書を策定し、年間計画に基づいた安全活動を展開しています。

推進体制

DOWAグループの安全管理活動は、DOWAホールディングスの環境・安全担当取締役を責任者として、環境・安全部と各事業会社で選任された安全環境責任者/担当者が連携して行っています。

2022年4月より、当社グループの安全活動の推進についての討議や、各社の活動内容の共有・相互支援を行う場であった安全環境責任者/担当者会議を、サステナビリティ委員会傘下のワーキンググループに位置づけて推進しています。また、衛生管理や健康経営活動はDOWAホールディングスの人事担当取締役を責任者とし、人事部が牽引し他部と連携しながら活動を推進しています。

サステナビリティ委員会で重要と採択された事項は、サステナビリティ委員会の上部組織であるサステナビリティ推進会議に報告され、さらに重要な事項は取締役会に報告されます。取締役会は安全や健康に関する監督を行います。

安全環境担当者会議

安全環境担当者会議は環境・安全部と各事業会社および技術サポート会社の担当者が毎月集まり、全社安全活動の推進についての討議や、各社の活動内容の共有、相互支援を行う場となっています。また、事故や災害が発生した場合、事実確認や原因究明、応急および恒久対策についての議論を行い、フィードバックしています。会議で決定した内容や対策などの事項は、担当者から各事業子会社へ展開し、迅速な情報共有を図る仕組みを構築しています。

安全環境担当者会議

地区安全会議

各地区の安全活動メンバーがお互いの活動事例やアイデアを共有し、相談し合える交流の場として設けています。異なる分野間での協力・連携を行うことで、安全活動レベルの底上げを図っています。

新規事業安全監査

DOWAグループでは、新規に立ち上げる事業の安全監査を行っています。新規事業に関してはグループの建設工事の構想検討、基本設計、詳細設計の各段階における標準ルールである設備調達マニュアル(DTMS:DOWA Technical Manufacturing Standard)に基づいて設計・施工しています。また、工場完工段階の事業開始前においては、必要な体制の整備状況や事前に想定できる環境保全面・労働安全衛生面のリスク潰し込み、残留リスクの把握と対策についてチェック表に基づいて評価を行い、確認・指導しています。指摘事項についてはフォローアップを行い、改善状況を確認しています。

目標

「中期計画2024」にてEHS-MS(環境・安全衛生マネジメントシステム)構築を決定しています。リスクマネジメントに立脚した労働安全衛生マネジメントシステムが運用・維持・改善されている姿を目指しており、DOWAグループのEHS-MSがすべての事業所で運用できるよう、再構築を進めています。既に認証取得しているISO規格についてはそれを活かし、全社共通部分を構成しながら、先行事業所での運用を図っていきます。その後、修正を加えながらその他の事業所への展開を目指し、リスクマネジメントに基づくグループガバナンス体制の強化を図っていきます。

労働災害

DOWAグループ全体の災害件数は長期的に見ると減少傾向にあります。環境・安全部門では再発防止活動として、災害発生時の「現場検証・安全監査」を行っています。災害発生後に、現場検証による要因解析の深掘りと再発防止への取り組みを指導し、チェック表に基づいて評価を行います。監査時に取り組むべきテーマを合意形成し、是正報告を受け取るまでサポートしています。また災害の多い事業所については、対象会社への第三者診断や改善サポートを行っています。

災害発生件数が多い事業所への重点指導

環境安全担当者会議は、労働災害頻度の高い事業所に対して安全体制の改善と支援・指導を行っています。外部コンサルタントによる客観的な視点を取り入れつつ安全監査や安全衛生診断を実施し、改善を推進し、安全レベルの向上を図っています。

事故・労働災害の未然防止

未然防止策

DOWAグループでは、未然防止策としてリスクアセスメント活動の強化を図っており、既存事業および新規事業の安全性のリスク評価を実施しています。また、新規事業について安全に関する新規事業安全監査を行っており、建設工事の構想検討、基本設計、詳細設計の各段階における標準ルールである「DOWA生産技術標準(DTMS)」を策定し、2019年度より運用を開始しています。必要な体制の整備状況や事前に想定できる環境保全面・労働安全衛生面のリスク潰し込み、残留リスクの把握と対策についてチェック表に基づいて評価を行い、確認・指導しています。

安全教育の推進

環境・安全部では、能力アップ、コンプライアンス、リスクアセスメントの向上を目的として人材育成に努めています。会社・工場・職場の安全水準を向上させるためには、安全について学ぶべき内容を、それぞれの立場や責任において理解することが重要と考えます。すべての従業員が労働安全を自分事として捉えて自主的に活動に取り組めるよう、研修等を通じて、安全意識の向上に努めています。

健康経営®

DOWAグループは、健康経営宣言を制定し、健康維持・増進に関する取り組みを推進しています。

●健康経営宣言

私たちDOWAグループは、グループで働くすべての人およびその家族の健康維持・増進に取り組み、心身ともに活き活きと働ける職場を築いていきます。

●健康維持・増進に向けた取り組み

  1. 従業員・家族の健康状態の把握や保健指導による、疾病の早期発見と重症化予防の支援
  2. 職場環境の改善や多様な働き方の促進による、健康を支える基盤の整備
  3. 生活習慣改善の促進による、一人ひとりの健康づくりの支援

※「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

推進体制

健康経営の取り組みは、DOWAホールディングスの人事管掌取締役を責任者とし、グループ各社の人事担当部門・安全担当部門・産業医および健康保険組合における推進体制を整備・構築しながらグループ全体で推進しています。

健康経営優良法人認定

2023年3月に、経済産業省と日本健康会議が選定する「健康経営優良法人認定制度(※)」 において、DOWAグループから以下の会社が「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定されています。

<健康経営優良法人認定 対象会社>

  • DOWAホールディングス株式会社 (初認定)
  • DOWAエコシステム株式会社   (初認定)
  • DOWAメタルマイン株式会社   (初認定)
  • DOWAエレクトロニクス株式会社 (初認定)
  • DOWAメタルテック株式会社   (初認定)
  • DOWAサーモテック株式会社   (初認定)
  • エコシステム千葉株式会社    (初認定)
  • エコシステム山陽株式会社    (初認定)
  • 光和精鉱株式会社        (2年連続認定)
  • DOWAメタル株式会社      (初認定)
健康経営優良法人認定

※健康経営優良法人認定制度とは、地域の健康課題に即した取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度です。

取り組み

健康問題への対応

DOWAグループでは、従業員やその家族の健康管理について、婦人科検診や家族検診の受診、予防接種などへの費用補助など、法定以上の対応を行っています。また専門カウンセラー(臨床心理士)による電話や面談の相談を受けられる専門ダイヤルを設置しています。

さらに、グローバルな感染症(肺結核、HIV/エイズ、マラリアを含む)の健康課題が世界には存在することを重く受け止め、当社グループもこれらに対して、積極的に対応します。これらの世界的な健康課題について、海外赴任者に対し感染予防の啓蒙を図るなど社員に対する注意喚起を促しています。特に結核については、早期発見のため、胸部X線(レントゲン)検査を含む定期健康診断を行っています。