DOWAグループでは、事業のライフサイクルの各段階で必要な資源やエネルギーの投入(INPUT)と、その活動から発生するCO2や廃棄物(OUTPUT)の収支を定量的に把握して、マテリアルバランスを考えながら事業活動を進めています。
DOWAグループの大気および水質の負荷量は、環境・リサイクル部門で受け入れる廃棄物の組成によって大きな影響を受けています。各事業所においては、管理体制の強化や国の規制より厳しい自主基準値を定めるなどして、負荷の低減に取り組んでいます。
法定以上の基準値を設定し、管理を実施している事業所数は以下の通りです。
管理項目 | 地方公共団体との協定に基づく管理目標 | 自主的に定めた管理目標 |
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大気 | 6事業所 | 10事業所 |
水質 | 5事業所 | 20事業所 |
DOWAグループでは、毎年、国内外の生産拠点での水使用量に加え、取水源と排水先の状況の把握を行っています。すべての事業所においてプロセス内での循環利用を推進して取水量を削減し、グループ全体で取水量の削減に向けた取組みを推進していきます。
また、当社グループの水資源の用途は製錬部門で使用する冷却水が最も多く、これには海水を利用しています。
取組 | 年間削減量 |
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原単位管理による削減 | 5,050m3 |
熱交換器の清掃による冷却水の削減 | 3,900m3 |
循環水槽の改善によるオーバーフロー水の削減 | 1,800m3 |
製品洗浄水量の最適化を実施し、水使用量の削減 | 700m3 |
工程水の管理手順書の作成と標準化 | ― |
投入量と同様に、排水量が最も多いのは製錬部門における冷却水への海水利用であり、使用後に水質を確認したうえで、元の海域に戻しています。各事業所では、排水管理を確実に行い、排水規制の遵守だけでなく、厳しい自主基準を設けるなど水質の保全に取り組んでいます。
当社は現在、20か所以上の休廃止鉱山と30か所以上の鉱さいダムを運営・管理しており、その大部分は休止または廃止の状態です。また、鉱山諸法・制度よりも厳格な自主管理基準を用いた管理を行うことにより、公害防止や安全性の維持・向上に努めています。
休廃止鉱山では、酸性水や重金属を含む抗内水が抗口から流出し、水質悪化や農用地の汚染を引き起こすおそれがあります。現在、当社が保有する休廃止鉱山と鉱さいダムにおいては、鉱山諸法・制度よりも厳格な自主管理基準を定め、健全な水循環と持続可能な水利用環境の維持に取り組んでいます。
抗排水処理場や鉱さいダムの施設は、公的機関である各地の産業保安監督部によって不定期に検査が行われます。当社が管理する休廃止鉱山および鉱さいダムの大半が1980年までに操業を停止し、ほぼ休止中または廃止済みの状態にあり、覆土および公害防止工事の実施、植生による緑化まで完了した安定的な状態にあります。
当社は使用中の鉱さいダムを含めて箇所別の点検項目と頻度を定め、有資格者が閉塞済みの抗口や鉱さいダムの法面や暗渠(あんきょ)などを巡回点検することにより、劣化箇所の早期発見と修復を行い、安定的な状態を維持できるよう努めています。