2020年度は、主要生産拠点の約70%に上る47事業所がISO14001、もしくはエコアクション21を取得し、環境マネジメント体制を構築して環境管理を行っています。また、運輸事業では、トラック運送における環境保全推進のためのグリーン経営認証を取得しており、環境マネジメントシステムのPDCAサイクルによって、継続的な環境改善に結びつくように活動を推進しています。
取得認証 | 取得事業所数 | 取得率 |
---|---|---|
ISO14001 | 国内30事業所 海外13事業所 | 主要生産拠点の 約70% |
エコアクション21 | 国内4事業所 | |
グリーン経営認証 | 国内1事業所 |
項目 | 単位 | 2019年度 | 2020年度 | 前年度比 | ||
INPUT | 総エネルギー投入量 | PJ | 18.2 | 17.4 | -4% | |
化石燃料消費量 | 千kL | 121 | 115 | |||
購入電力量 | GWh | 1,352 | 1,296 | |||
火力発電量 | GWh | 4.6 | 1.3 | |||
水力発電量 | GWh | 38.7 | 47.9 | |||
太陽光発電量 | MWh | 335 | 388 | |||
購入蒸気量 | GJ | 388 | 300 | |||
水資源使用量 | 百万m3 | 106 | 100 | -5% | ||
海水 | 百万m3 | 93 | 88 | |||
海水以外 | 百万m3 | 13 | 13 | |||
原材料使用量 | 千t | 1,058 | 953 | -10% | ||
原料 | 千t | 806 | 715 | |||
副資材 | 千t | 162 | 160 | |||
熱処理受託品 | 千t | 89 | 77 | |||
包装材 | 千t | 1.7 | 1.4 | |||
受入廃棄物量 | 千t | 1,556 | 1,440 | -7% | ||
廃棄物 | 千t | 1,420 | 1,304 | |||
受入法廷リサイクル品 | 千t | 96 | 98 | |||
汚染土壌 | 千t | 40 | 38 | |||
フロン類処理量 | t | 552 | 604 |
項目 | 単位 | 2019年度 | 2020年度 | 前年度比 | |
事業 エリア内 |
廃熱発電量 | GWh | 83 | 80 | -4% |
廃熱利用量 | TJ | 427 | 443 | +4% |
項目 | 単位 | 2019年度 | 2020年度 | 前年度比 | ||
OUT PUT |
温室効果ガス総排出量 | 千tCO2 | 1,788 | 1,695 | -5% | |
電力起源 | 千tCO2 | 716 | 670 | |||
化石燃料起源 | 千tCO2 | 342 | 327 | |||
廃棄物起源 | 千tCO2 | 730 | 698 | |||
売電電力量 | GWh | 0.8 | 1.2 | +62% | ||
製品量 | 千t | 945 | 881 | -7% | ||
化学物質排出量 | t | 1,773 | 1,542 | -13% | ||
排水量 | 百万m3 | 117 | 114 | -2% | ||
廃棄物量 | 千t | 367 | 473 | 29% | ||
リサイクル量 | 千t | 634 | 612 | -3% | ||
サーマルリサイクル | 千t | 352 | 344 | |||
マテリアルリサイクル | 千t | 282 | 269 |
(注)CO2排出量については、原則として、電力購入量、化石燃料消費量、および受入廃棄物に対して地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)における排出係数を乗じて求めています。受入廃棄物起源のCO2排出量に関しては、本レポートの作成にあたり算定条件を設定しているため、行政への報告値と必ずしも一致しない場合があります。また、日本と海外の廃棄物の分類が異なることと、海外事業所の受入廃棄物に対し適切排出係数を設定するのが困難であることにより、廃棄物起源のCO2排出量については国内事業所分のみ表示しています。また、集計の見直しに伴い、DOWAレポート2020で報告した数値を一部修正しています。
物質別大気排出量の推移
物質別水域排出量の推移
2020年度の水資源投入量は100百万m3で、2019年度と比較し、約5%の削減となりました。2020年度は、工程変更による循環利用や流量計設置による節水の徹底などにより水使用量の削減に取り組みました。
当社グループの水資源の用途は製錬部門で使用する冷却水が最も多く、これには海水を利用しています。淡水の使用量は全体の水使用量の13%程度となりますが、2019年度と同等の13百万m3でした。
水資源使用量
2020年度の総排水量は114百万m3で、2019年度と比較し、約2%減少しました。
投入量と同様に、排水量が最も多いのは製錬部門における冷却水への海水利用であり、使用後に水質を確認したうえで、元の海域に戻しています。
各事業所では、排水管理を確実に行い、排水規制の遵守だけでなく、厳しい自主基準を設けるなど水質の保全に取り組んでいます。
2020年度のグループ全体での温室効果ガスの排出量は、約1,695千t‐CO2で、2019年度に比較して約5%の減少となりました。発生源別に見ると、電力起源と廃棄物起源がそれぞれ約40%、非化石燃料起源が約20%でした。当社のCO2排出量の変動は、外部から受け入れる廃棄物の焼却による影響が大きく、廃棄物の量や組成によって変化します。外部で発生する廃棄物をコントロールすることは困難なため、焼却時に発生する熱を発電や蒸気として利用するサーマルリサイクルを進めることで、地球温暖化防止に取り組んでいます。
電力起源CO2排出の推移
化石燃料起源CO2排出の推移
当社では、再生可能エネルギーによる自家発電の活用と、事業を通じた再生可能エネルギーの普及を通じて、地球温暖化対策に取り組んでいます。
小坂製錬(秋田県)では、1897年、鉱山開発に利用するため国内で2番目となる水力発電所の運転を開始しました。その後も事業拡大に伴い設備の増設と整備を設け、現在は秋田県内6か所の水力発電所を保有しています。
2020年度は47.9GWhの発電を行っており、小坂製錬のエネルギーを賄う重要な電力源となっています。
DOWAサーモエンジニアリング太田工場(群馬県)、メルテック(栃木県)、DOWAハイテック(埼玉県)、エコシステム山陽(岡山県)、アクトビーリサイクリング(熊本県)の事業所では、太陽光発電システムを導入しています。
2020年度は5社合計で388MWhの発電を行い、事業活動に必要な電力の一部として使用するほか、売電を行っています。
DOWAグループでは、国内5か所、海外1か所の6事業所で廃熱発電を行っており、2020年度の廃熱発電量は、80GWhでした。
廃熱発電は、廃棄物を焼却する際の熱や炉の排熱など大気中に廃棄される熱を利用した発電方法で、高温高圧の蒸気を作り、タービンを回して発電します。廃棄物による発電は、燃料として可燃ごみを利用するため、通常の火力発電のように化石燃料を必要とせず、廃棄物からエネルギーを創出することができるため、エネルギーの有効利用につながっています。
2020年度の原材料使用量は953千tで、2019年度に比べ約10%減少しました。このうち、約25%はリサイクルされた原材料を使用しています。
2020年度の受入廃棄物量は1,440千tで、約86%が社外から受け入れた廃棄物です。2019年度に比べ約7%減少しましたが、主に海外の廃棄物処理事業において、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により顧客の廃棄物量が減少したことによるものです。
2020年度のサーマルリサイクル量は344千tで、2019年度に比べ約2%減少しました。マテリアルリサイクル量は269千tで、2019年度に比べ約5%減少しました。
2020年度の廃棄物処理量は473千tで、2019年度に比べ約29%増加しました。新たに集計対象に廃棄物処理を行う事業所が加わったことと、土壌浄化事業の汚染土壌の搬出量が増加したことによるものです。環境事業以外の製造工程から排出する自社の廃棄物量は2019年度比で約4%減少しました。