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DOWAのCSR(企業の社会的責任)

“外”と接する人材育成を強化 DOWAのキャリア支援〜社会人大学院


写真  DOWAグループでは、人事・人材開発部門が中心となって多くの教育メニューが用意されていますが、一方で、各事業会社が独自に取り組んでいるプログラムもあります。今回はその中から、環境部門のDOWAエコシステムを中心に実施されている、東北大学環境科学研究科・社会人修士コースへの派遣についてご紹介します。

東北大学での授業風景

企業、行政、マスコミなど色々な分野から集まった“学生”が議論を交わす。また、全講義の約3割以上が外国人講師による英語での授業。

 

やりたい人間にチャンスを〜社内から公募で選出

「仕事のかたわら、大学院に通われていたとのことですが、そのきっかけは?」

 2005年に東北大学で、社会人を対象とした環境系の大学院が開設され、東北大学と関係の深いDOWAとしても数名派遣することになりました。その当時、私は環境部門の企画室にいたのですが、「せっかくの貴重な機会、行きたいと思う人に行ってもらおう」ということで、社内で公募を行った結果、私を含め2名が1期生として通うことになりました。

「大学では、どのようなことを学ばれたのですか?」

 ひとことで言うと、今世界中で起こっている“環境”に関する問題を、技術、経済、文化、政治、人間の意識など多様な切り口で捉え、解決していこうという内容です。体系的な学問として学ぶというよりは、世界中の様々な取り組みを紹介、あるいは議論をすることで、解決の手段を探り、人材を養成しようという色合いが強かったですね。

最大の収穫〜人との交流

「通常の業務だけでは、なかなかできない経験を得られたのでしょうか?」

 まず“環境”の捉え方・概念が大きく広がりました。それまでは「DOWAの環境ビジネス=環境」だったのですが、それ以外にも多くの問題・分野があることに思いが至りました。それは、DOWAにとってのビジネスチャンスがまだまだ多く残されている、ということでもありますからね。そして何より、様々な分野の方々との交流、ディスカッションなどを通じて得られたものが最大の収穫だと考えています。「こんな考え方・価値観があるのか」と気づくことや、外からDOWAがどう見られているのか・何を期待されているのか、ということも感じることができました。

写真 通学だけでなく 、インターネット講義(動画による授業)も充実。多いときは1ヶ月に7〜8本もレポート提出がある上、業務と重なり苦労しました・・・。

 卒業後も、“環境”をキーにしながら、活発な情報交換や勉強会などの交流が続いています。知人がさらに面白い人を連れてくる、という感じで、どんどん輪が広がっていきますね。


 

学びから実践へ

「最後に、大学院で学んだことをどう仕事に活かしていきますか?」

 修士論文のテーマに選んだのが、「“環境”を通じて、どうやってDOWAの企業価値を高めていくか」というものです。DOWAは環境ビジネスのトップランナーとして地位を確立しつつありますが、まだまだ認知度が低く、残念ながら“ブランド”を構築するには至っていません。特に一般 市民の方々には、驚くほど知られていないですね。そこで、 DOWAが行っている事業の意義・内容をわかりやすいカ タチで伝えることで、認知度アップ・ブランド構築を図り、企業価値の向上につなげよう、ということを研究しました。

 今取り組んでいるのが、「100%リサイクルした金だけで作成したジュエリー」です。金属のリサイクルが、持続可能なライフスタイルに結びついていることを身近に感じていただけるよう、その接点としてリサイクルゴールドの指輪を考案しました。株主総会やイベント会場などで、この指輪を見せると大抵みなさん、「何、何?」と強い関心を示されます。まず引き込んでおいて、それからDOWAの事業内容や、リサイクルの必要性・意義を説明すると、よく理解していただけるようです。大学で学んだことと、“環境”“広報”という自分の仕事をうまく結びつけることができれば、非常に嬉しいですね。

持続可能なライフスタイルのために
「100%リサイクルで製造したゴールド」によるジュエリー
写真

 鉱石から作る場合と比較して、環境負荷が約300分の1で済む、と試算されています。現在は、環境関連の展示会や株主総会などで公開していますが、「環境にやさしいジュエリー」として、販売を希望する声も寄せられています。


  

 インタビューではきれいにまとめましたが、実際にはそう簡単にいきません(笑)。有名ブランドや著名人とのコラボレーションでこのジュエリーを売り出して、DOWAのブランド力を向上させることが当面の野望ですが、いざ進めようと思うと課題が山積みです。色々な方々の意見を聞きながら、進めていきたいと考えています。

 東北大学に限らず、とにかく“外”と接する機会を増やすことが、今のDOWAには必要 だと思います。

DOWAホールディングス
企画・広報部門 立川 尊信

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