DOWA CSR報告書2016

社長緒言TOP MESSAGE

 2016年4月に発生した熊本地震により亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
 当社は熊本県内に家電リサイクル工場を有しておりますが、今回の熊本地震に際して幸いにも被害はなく生産を継続できており、環境省ならびに熊本県の支援要請に応じて被災家電品の分別や運搬、処理を行いました。微力ながら、本業を通じて諸課題の解決に向けた一助となることができました。一日も早く復興することができるよう、引き続き支援を行ってまいります。

DOWAホールディングス株式会社
代表取締役社長
山田政雄

持続可能な社会の実現への寄与

 さて、昨年度を振り返りますと、国際的に2つの大きな合意がなされました。2015年9月には「持続可能な開発目標(SDGs)」が国連で採択されました。当社は2009年に「国連グローバル・コンパクト」に署名し、人権・労働・環境・腐敗防止に関わる10の原則を支持し取り組みを続けてまいりましたが、引き続き支持するとともに、これに加えて、SDGs達成にも貢献する取り組みを積極的に行っていきます。また、2015年12月には「パリ協定」がCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)で採択され、今世紀後半にはゼロ炭素社会を目指していくことが決まりました。当社は、金属製錬工程や廃棄物処理工程などでのCO2排出企業として、省エネルギー性能の高い設備・機器への更新や、水力発電の活用、廃棄物発電、代替フロン処理などによりCO2排出量の低減努力をしてまいりましたが、温暖化防止技術を支える新エネルギー分野等に素材、部品提供を通じて貢献できる企業としての期待に応えられるよう、その責務をより一層果たしてまいります。
 社会の持続性に積極的に寄与していくためには、当社そのものが持続的に成長していける存在でなくてはなりません。CSR方針として、安全、環境、社会、企業統治の4つの分野、すなわち「S+ESG」それぞれに、『2020年のあるべき姿』を中期目標として定め、あるべき姿のために優先的に取り組むべき課題を重点施策として、その実現に向けての活動計画を単年度の取り組みおよび目標として掲げています。これは、2015年の中期計画の初年度に合わせてスタートしました。
 地球温暖化対策や資源・エネルギー問題などさまざまな社会課題に対して、グローバル市場のサプライチェーンにおける我々DOWAグループの影響力をしっかり認識し、世界共通ルールを遵守しながら企業活動を遂行する必要があります。法令遵守はもちろんのこと、社会的倫理を守りながら公正・公平にこれまで以上にコンプライアンスを徹底していきます。

多様な人材がしっかり力を発揮できる組織へ

 成長の原動力、それは一人ひとりの従業員であり、いかに個々の能力を最大化するかが肝要となります。また、変化スピードへの対応で今後武器になるのは均一的な人材による組織ではなく、むしろ多様性に富む組織であり、ひいては、このような組織が革新性と安定性をもたらすと考えます。そのためには、さまざまな人材が互いの良さを認め合う、多様性を受容する企業風土と公正な評価を受け、成長できる職場環境をつくるための仕組みの構築が重要です。これらを年度の活動計画に落とし込んで推進しています。
 DOWAグループ全体従業員約9千人は日本、東南アジアをはじめとするさまざまな国・地域で働いており、多種多様な人種・民族で構成されています。また、一昔前に比べ社内で活躍する女性社員も増えてまいりました。どうしても国籍や人種、年齢、性別というわかりやすい違いに目を向けがちですが、たとえ同じ人種であっても個性があり、また、能力や職歴、経験なども違い、価値観も違うはずです。私たちDOWAグループは、こうした外見からはわかりづらい違いも見落とさずにダイバーシティを推進していく所存です。


 この報告書は、DOWAグループの取り組みを社内外のあらゆるステークホルダーの皆様に広くお知らせするとともに、社員一人ひとりが改めて自分たちの活動を見つめ直し、新たな価値を生み出すきっかけとなることを目的としています。DOWAグループの新たな価値創造がさまざまな社会課題の解決や国際社会における新たな価値創造につながるよう、ぜひ忌憚のないご意見をお聞かせください。

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