トップメッセージ 〜CSR経営に真摯に取り組み本業を通じた価値を提供し続ける〜

東日本大震災により被災された皆様へ、心よりお見舞いを申し上げます。当社では東北・関東に多くの拠点をもちますが、幸いにも被害は軽微で生産を継続できており、1日も早い復旧・復興へ向け、社員一丸となって全力を尽くしています。
電線や自動車などに不可欠な銅や亜鉛などの金属製品をはじめ、新エネルギーや省電力に役立つ高付加価値製品や、環境・リサイクルのサービスなど、私達はしっかりと供給責任を果たし、サプライチェーンの再構築に貢献すべく、一層気を引き締めて取り組みを進めてまいります。

DOWAホールディングス株式会社 代表取締役社長 山田政雄

環境負荷低減に向けた、DOWAの取り組み

循環型社会の構築に向けた動きは、有限な地球の資源を有効活用するため、欧米や日本だけでなく、アジアにも広がり始めています。
DOWAでは秋田県にある小坂製錬を中心として、廃棄物・廃製品の収集から金属の精製までを一貫して行っています。このような日本で蓄積してきた技術や経験を基に、2010年度は中国での家電リサイクルや土壌浄化、欧州での使用済み自動車触媒の集荷など、新たに資源循環のニーズが高まってきた地域における事業・サービスの拡充を図ってきました。
また、電源構成の多様化を実現する新エネルギーの普及や省電力の進展につれ、DOWA製品の活躍の場も増加しています。
私たちは、再生可能エネルギーとして注目を集める太陽光発電や風力発電向けに、銀粉や回路基板などの製品を供給しています。今後は家庭用電化製品向けに、より一層の省電力化を実現できる製品として、窒化物半導体にも期待が高まっています。
また、石油由来でない軽油代替燃料として、バイオディーゼル燃料の製造にも取り組んでおり、岡山市の一般廃棄物収集車は全て当社の燃料を使用するところまで供給能力を高めてきました。その他、直接的な温室効果ガスの排出量削減につながる、国内でフロンガスを熱分解する事業、またフィリピンにおいて養豚場の排水から発生するメタンガスを回収・熱分解する事業などにも、継続して取り組んでいます。

海外拠点と学びあい、向上を目指す

写真DOWAでは、アジアを中心とした海外マーケットへの展開を積極的に進めていますが、原料調達や製品販売といった物品の取引にとどまらず、各地域固有の文化・価値観を尊重することがとても大切だと考えています。
それは、地域社会と信頼を築くことで、私達もその地域の中で活かされ、より深い関係を築いていくことが出来るからです。
私達は2009年度から国連グローバル・コンパクトに参加しており、人権・労働基準・環境・腐敗防止に関わる10原則など、国際的な普遍原則を踏まえた行動の徹底を図っています。中でも、東南アジアに3カ国4拠点を展開するMAEH社では、最終処理施設の管理を含めて廃棄物の処理事業を主に行っているため、日本と同様に周辺住民の方々からの事業への信頼を頂き、円滑なコミュニケーションを取ることが重要です。これらの事業所は、学校や病院など、住民の皆さんが日常的に利用する施設への支援や、スポーツ大会の主催など、地域の生活に密着した活動を続けています。
私たちは今、日本国内で継続している植樹や環境教育の知見を海外での取り組みへ活かすだけでなく、海外での取り組み方を日本でも応用し、地域住民の方を主体としたイベントの開催などに活かし始めています。今後も、国内と海外の取り組みを相互に学び合うことで、DOWA全体のCSRの取り組みを向上させていきたいと願っています。

社員の多様性を活かす組織へ

私たちDOWAでは、5つのコアビジネスを持ち、海外への展開も積極的に進める中で、会社の総合的な対応力を形成する社員一人ひとりの多様性が、今後より一層重要になっていくと感じています。
当社では多様性を認め、それぞれの力を職場で組織として活かしていくための制度作りを、積極的に進めています。現在導入している、コアタイムを設けない完全フレックス制度や、超過労働時間を休日に変換できる出勤免除日制度は、それぞれの部署での業務や個人の事情に柔軟に対応した働き方を可能にするための枠組みです。このような制度づくりを進めていくことで、ライフスタイルの変化の際などにも業務への影響を抑えられるような選択肢を増やし、人材の多様化推進に努めたいと考えています。

この報告書は、当社の取り組みを皆様に広くお知らせするとともに、社員一人ひとりが自分たちの活動を見つめ直し、新たな価値を生み出すきっかけとなることを目的としています。今後とも私達DOWAグループが社会に役立つ企業として進歩を続けるために、ぜひ忌憚のないご意見をお聞かせ下されば幸いです。

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