DOWA CSR報告書2017

企業統治Governance

DOWAグループは、社会から信頼される企業であり続けるために、コーポレート・ガバナンスの強化を重要な経営課題の一つと位置付け、「DOWAグループの価値観と行動規範」に基づき、取り組んでいます。

CSR方針

  • 開かれた会社、透明感のある会社を目指す
  • 国際的な取り組みに配慮し、贈収賄などの腐敗防止に努める
  • CSRに配慮した調達を行う

重点施策

CSR調達推進

Q・C・D+Sustainability

DOWAグループのC S R 調達の特徴は、Q(品質)・C(コスト)・D(納期)といった従来型の調達に「S(Sustainability:持続可能性)」を加えたことにあります。この「S」は、人権への配慮や環境保全などの社会的責任に対する取り組みを意味しています。

お取引先との協働

 DOWAグループでは、CSR活動におけるお取引先の取り組み状況を継続的に把握・評価するため、セルフチェックリストによるアンケートを実施しています。
 セルフチェックリストは、自社のCSRの推進の仕組みと実態把握について、お取引先自身が自己評価を行うものです。結果についてはフィードバックレポートを送付し、CSRの取り組みが不十分と考えられる項目があるお取引先には、より積極的に取り組んでいただけるよう要請しています。
 さらに、事業上特に重要なお取引先、あるいは自己診断の結果が基準に達しなかったお取引先には、訪問確認を実施しています。セルフチェックの結果をもとに、ヒヤリング・書類確認・工場視察を通じて確認を行い、ガイドラインを満たさない状況が見られた場合には改善・要望・検討の3段階の指摘を行います。監査後のミーティングでは、結果説明と質疑応答を経て監査結果の合意を図りますが、課題を指摘して改善を要望するだけでなく、適切な仕組みや優れた取り組みなどについては評価も行っています。
 この訪問確認では、環境安全部門、調達部門で構成したチームが監査を行いますが、対象となる資材を使用する当社工場の担当者もメンバーとして参加することで、お取引先との信頼関係の強化とCSR調達活動のさらなる社内浸透を図っています。

  • セルフチェックの6分野

    セルフチェックの6分野
  • CSR調達のPDCAサイクル

    CSR調達のPDCAサイクル

石灰鉱山の現地訪問確認

 当社の工場の多くが調達している「消石灰」は、水処理や排ガス処理などの環境保全対策に使用されている大切な資材の一つです。消石灰の原料となる石灰石は日本で自給できる数少ない資源であり、国内鉱山からの調達が可能です。
2016年11月、CSR調達ガイドラインに基づく現地確認を行うため、取引先である宮城石灰工業株式会社様の石灰鉱山を訪問しました。
鉱山の操業では周辺環境の保全と労働者の安全確保が重要と考えられます。このため、環境と安全、それらの管理システムに重点を置いた監査を実施しました。

写真

オープニングミーティングの様子

 ヒヤリングと書類確認では、保安計画や保安方針の策定状況、環境管理の記録などのチェックを行いました。サイトでは排水処理や粉じん対策、危険物の管理などについて適切な対策が取られていることを確認しました。特に粉じんの飛散対策では、地元企業と協力しあい道路清掃車を使用した周辺地域の清掃活動を行うなど、地域に根ざした取り組みをされていることを知りました。

 また、災害時における事業継続では、連絡網の策定や衛星電話の設置などの緊急対策のほか、遠隔地に立地する他社鉱山との提携を進めているなど、確実な安定供給に取り組まれていることを把握しました。

写真

露天採掘でのベンチカット採掘法により、
石灰石が採掘・生産されています

 このようなアンケート結果からは把握できないCSR活動の実施状況を確認することは、リスク管理の面からだけでなくサプライチェーンの信頼性を高めるためにも重要だと考えています。また、CSR調達の実践を通じて当社が学ぶべき点は多く、現地監査から新たな気づきを得ることも多くあります。
監査にはお取引先の理解と協力が欠かせません。目指すべき方向性を共有し、CSR調達の必要性についても理解を深めていただけるよう、昨年度の監査より当社の調達方針やガイドラインの説明に加え、背景となる国際社会の動向や社会課題などについての解説も始めました。
 今後もお取引先の皆さまと協力しながら、ともに学び、よりよいサプライチェーンの構築を目指して取り組みます。

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