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ごあいさつ―Jump up to the New Stage―

DOWAグループは、「会社は社会に役立つことで存在できる」という考えに立っています。中でも、地球温暖化や資源枯渇といった国際社会が抱える課題に応えるため、本業を通じてCSR活動に積極的に取り組んでいます。近年は海外、特にアジア地域への展開を進める中で、これまで以上に世界に目を向け、国際社会へ貢献したいと考えています。

低炭素社会の実現に向けて

DOWAは低炭素社会構築へ向けて引き続き努力を続けています。製品を作る際の省エネ、あるいはプロセスの見直しによる温室効果ガスの排出量削減はもちろんのこと、社会が低炭素型へ転換する中で必要となる様々な事業にも取り組んでいます。

注目を集める太陽光発電は、光を受けるパネルの電極に銀を使います。DOWAエレクトロニクスでは、この電極向け銀粉を製造しており、太陽光発電の分野でDOWAの素材が活躍しています。

また、廃食油を回収して軽油代替燃料を作る事業は各地で行われていますが、DOWAも岡山でバイオディーゼル岡山を設立し事業を推進しており、同社の燃料は岡山市のごみ収集車に使われています。

その他にも、温室効果の高いフロンガスを回収・破壊する事業を従来から行っており、さらに今年4月にはフィリピンで、メタンガスを回収・破壊する設備を稼働させるなど、国内外で着実に低炭素社会に向けた活動を進めています。

資源循環を通じた貢献

現代社会では、様々な電子製品や自動車が人々の暮らしに欠かせません。一方で、製品を作るのに必要な金属資源を安定的に供給することは、資源価格の高騰や資源の寡占化などにより、差し迫った課題となっています。したがって、金属を扱うDOWAとして、金属資源のリサイクルを進めることは、最も重要な使命として考えており、秋田にある小坂製錬を中心とし、環境リサイクルと金属製錬が一体となって取り組んでいます。

またメルテックでは、廃棄物を1,800℃の高温で溶かすことで、焼却灰中に含まれる有価金属(金、銅など)の回収を可能にすると同時に、金属以外の成分を活用して道路路盤材用の人工骨材として再利用しています。

このように、DOWAのコア事業である環境リサイクル、金属製錬を主体とした資源の循環型事業は、私たちが果たすべき社会的貢献そのものであり、今後も一層の充実に努めます。

海外での取組、国内での社会貢献活動

中国や東南アジアを始めとした新興国の成長はめざましく、DOWAもアジアへの事業展開に取り組んでいきます。中国では、法整備が進んできた家電リサイクルに対応し、これまで金属リサイクルを手がけてきた蘇州だけでなく、天津でも事業を開始します。また、中国での資源循環促進に寄与するために、他の地域での展開も検討しています。

一方で、ただ単に海外に進出すればよいというわけではありません。各地域には固有の文化・価値観がありますから、これらを尊重して地域社会との信頼を築き、共に生きていくことが大切です。タイ、インドネシアなどで広く廃棄物処理事業を展開するMAEH社では、様々な社会貢献プログラムに長年取り組んでいます。このプログラムは環境教育、教育の改善サポートやスポーツ活動に加え、地域の生活に密着した医療衛生活動の支援も行っています。

国内では事業を展開する地域を中心として、継続的な社会貢献活動を推進しています。秋田では、地域の皆様の参加を頂いて鉱山跡地に延べ約1万8千本に及ぶ植樹を行っています。さらに生物多様性についての調査も行い、鉱山跡地を緑豊かな森林に戻すだけではなく、生き物が豊かに暮らす地域にするための取り組みを進めています。さらに、岡山・児島湖での川津桜の植樹では、3千名を超えるサポーターのご協力を頂いています。

また、十和田湖畔で開催しているスキー大会「DOWA杯」は20回目を迎え、小学生の時に参加した選手がオリンピックに日本代表として出場しています。これからも、この大会をステップにして、世界大会などで活躍する選手が多数育っていくことを楽しみにしています。

今後も、昨年参加を表明した国連グローバル・コンパクトの国際的な普遍原則を踏まえ、本業を通じた環境分野での社会的課題の解決や、社会貢献活動の推進に取り組んでいきます。

多様性から生み出される価値

「ダイバーシティ(多様性)&インクルージョン(包含)」といった概念は、近年急速に浸透しつつあります。複数のコアビジネスを持ち、海外への展開も積極的に進める私たちDOWAも、多様な人材の力を職場で活かすことが組織の活力の源泉であると考えています。

DOWAでは、やる気、志のある社員には幅広い仕事にチャレンジさせます。かつては鉱山会社だったという企業特性もあり、女性社員の割合はまだ低いですが、環境・リサイクル事業に力を入れるようになって「仕事を通じて環境分野に関わりたい」といった動機で入社し活躍する女性も着実に増えています。当社の事業活動に興味のある方はぜひ入社して頑張ってほしいと思います。


この報告書は、当社の取り組みを皆様に広く知っていただくとともに、社員一人ひとりが自分たちの活動を見つめなおすことも目的として作成しています。今後とも私たちDOWAグループが皆様に必要とされる企業であり続けるために、ぜひ忌憚のないご意見をお聞かせ頂ければ幸いです。

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